ねんきん定期便を開いたものの、数字の意味がよく分からないまま封筒に戻した。そんな経験、ありませんか。

この記事では、年金を月いくら払うのか(令和8年度の国民年金保険料は月17,920円)、そして月いくらもらえるのか(老齢基礎年金の満額は月70,608円)を実額で整理します。平均受給額、生活費との差、働きながら受け取るときの基準額まで、確認の手順つきでまとめました。
年金を月いくら払うかは「立場」で決まる
まず、自分がどの区分かを確認してください。ここを取り違えると計算が全部ずれます。
| 区分 | 月いくら払う(令和8年度) | 納付方法 |
|---|---|---|
| 第1号(自営業・フリーランス・学生・無職) | 17,920円(全員一律) | 納付書・口座振替・クレジットカード |
| 第2号(会社員・公務員) | 標準報酬月額の18.3%を労使折半(本人負担9.15%) | 給与天引き |
| 第3号(第2号に扶養される配偶者) | 0円 | 負担なし |
第1号の人は、これに月400円の付加保険料を上乗せできます。付加年金は「200円×納付月数」が毎年の年金に加算されるので、受給開始から2年で払った分に追いつく計算。手続きは市区町村の国民年金窓口で数分です。第1号なら、これはやっておいて損の少ない部類だと思います。
ステップ1: 給与から月いくら引かれるかを見る
会社員の人は、給与明細の「厚生年金保険料」の行を見てください。ここが本人負担分です。

計算式は、標準報酬月額 × 9.15%。標準報酬月額が30万円なら約27,450円、40万円なら約36,600円が毎月引かれています。賞与からも同じ率でかかります。
よくある戸惑いが「9月分から急に引かれる額が増えた」というもの。4〜6月の給与をもとに標準報酬月額を決め直す定時決定が反映されるためで、ミスではありません。
ステップ2: 月いくらもらえるかを確認する
見込み額はねんきんネットで確認できます。マイナポータル経由でログインすれば、5分ほどで「年金見込額試算」まで進めます。50歳以上なら現在の条件で60歳まで働いた場合の見込み額、50歳未満は「これまでの加入実績に応じた額」が表示されます。
自分で概算するなら、こう分けて考えます。
老齢基礎年金 = 70,608円 × 納付済月数 ÷ 480
40年(480月)すべて納めて満額の月70,608円(年847,300円)です。
老齢厚生年金は、平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数(2003年4月以降の期間)が年額の目安。平均標準報酬額35万円で40年加入なら年約92万円、月に直すと約7万6千円。基礎年金と合わせて月15万円弱、というイメージです。
平均はいくらか
| 種類 | 平均年金月額(令和6年度末時点) |
|---|---|
| 国民年金(老齢基礎年金)のみ | 約5万9千円 |
| 厚生年金(基礎年金含む・65歳以上男性) | 約17万3千円 |
| 厚生年金(基礎年金含む・65歳以上女性) | 約11万5千円 |

厚生労働省が示す令和8年度のモデル年金(夫が平均的収入で40年就業、妻が40年専業主婦の片働き世帯)は、夫婦2人分で月237,279円です。ただしこれはかなり条件のそろった世帯像で、実際の平均とは別物。ニュースでこの数字を見て「うちは少ない」と落ち込む必要はありません。
月いくらあれば足りるのか
総務省の家計調査では、65歳以上の夫婦のみ無職世帯の消費支出は月25万円前後で推移しています。単身高齢者は月15万円前後。年によって変動するので、最新値は確認してください。
やることは単純で、見込み額から生活費を引くだけ。月20万円の見込みで支出が25万円なら、毎月5万円の不足。65歳から20年で約1,200万円という規模感がつかめます。この一手間をやるかどうかで、備え方の解像度がまったく変わります。
働きながら受け取るときの上限
在職老齢年金では、老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計が基準額を超えると、超えた分の半額が支給停止になります。この基準額が令和8年4月から65万円に引き上げられました(令和7年度は51万円)。

対象は老齢厚生年金だけで、老齢基礎年金は止まりません。基準額は毎年度改定されるため、最新値は日本年金機構の公表で確認してください。
つまずきやすい点
- 未納と免除は別物。免除期間は受給資格期間に入り、年金額にも一部反映されますが、未納は完全にゼロ扱いです。
- 学生納付特例は「猶予」であって免除ではありません。10年以内に追納しないと、その期間分は年金額に反映されません。
- 50歳未満のねんきん定期便に載る額は、これまでの実績分。将来の受給見込み額ではありません。
よくある質問(FAQ)
Q. 年金は月いくら払うのが普通ですか?
A. 自営業や学生などの第1号被保険者は令和8年度で一律月17,920円です。会社員は収入によって変わり、標準報酬月額30万円なら本人負担が月約27,450円になります。
Q. 学生は年金を月いくら払いますか?
A. 学生も第1号被保険者なので原則は月17,920円ですが、本人の前年所得が一定以下なら学生納付特例で納付を先送りできます。申請しないと未納になるため、日本年金機構(https://www.nenkin.go.jp)や大学の窓口で早めに手続きしてください。
Q. 受け取る年金からは月いくら引かれますか?
A. 一定額以上の年金を受け取る人は、介護保険料や国民健康保険料(後期高齢者医療保険料)、場合によっては所得税や住民税が天引きされます。差引後の手取りは額面の1割前後少なくなるのが一般的で、金額は自治体や所得で変わります。
まとめ
年金は「月いくら払うか」が区分で決まり、「月いくらもらえるか」は納付月数と報酬で決まるので、ねんきんネットで自分の実額を確認するところから始めてください。